旅をしながら働くリモートワークスタイルは自由度が高い反面、セキュリティやマナー面でのリスクもある。特にカフェや宿泊施設、コワーキングスペースなど、さまざまな場所で仕事をするなら、安全性を意識しなければトラブルに巻き込まれる可能性が高まる。ここでは、旅先でも安心して仕事を続けるためのマナーとセキュリティ対策を整理してみよう。
公共Wi-Fiを使うときの注意点
VPNの導入
フリーWi-Fiを利用する際は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を活用して通信を暗号化するのがおすすめ。特に機密情報やクライアントデータを扱う場合は必須と言ってもいいほど重要だ。
パスワードの使い回しを避ける
Wi-Fi接続時にアカウント情報を入力するケースもあり、万が一漏洩すると他のサービスも乗っ取られるリスクがある。面倒でも各サービスごとにパスワードを変えておきたい。
オンライン会議や通話のマナー
カフェやラウンジでオンライン会議をする場合、周囲の会話やBGMが相手に聞こえてしまうことがある。音声が漏れるとプライバシー問題につながるだけでなく、他の利用客の迷惑にもなる。
イヤホンやヘッドセットを使用
マイク一体型のイヤホンで声量を抑え、相手の声も外部に漏れにくくする。
会話内容が機密情報なら個室ブースへ
コワーキングスペースによっては電話専用ブースや個室を用意しているところが多い。大事な商談や守秘義務のある案件では、周囲に聞かれる危険を避けるためにも個室利用がおすすめ。
デバイスの置き忘れ・盗難防止
旅先では荷物が多くなりがちで、ちょっと目を離した隙に貴重品やデバイスを置き忘れてしまうことがある。
離席時は必ずロック&持ち歩き
スマホやノートPCを開いたまま席を離れるのはセキュリティ上かなり危険。短時間であっても必ずロックをかけ、できれば持ち歩くのが理想。
PCバッグの施錠や追跡タグの活用
防犯性の高いバッグや、スマホアプリと連動して位置情報をチェックできるタグを活用すると盗難リスクを下げられる。
デジタルデータの管理
クライアントの機密ファイルや自社の重要データなどは、外部ストレージやクラウドへの保存方法に注意が必要。
クラウドストレージの権限設定
共有リンクが誰でも閲覧可能になっていないか、編集権限が不要に広がっていないかを定期的にチェックしよう。
バックアップの習慣化
移動中にデバイスを紛失・破損する可能性は否定できない。万一に備え、外付けHDDやクラウドへのバックアップを習慣づけたい。
個人情報とプライベートの分別
フリーランスやノマドワーカーの場合、SNSで仕事の実績をアピールすることも多い。ただし、個人情報やクライアント情報が丸見えだとトラブルの原因に。
SNS投稿に注意
旅先での写真や仕事風景をSNSにアップするときは、個人名や住所、重要な書類が映り込まないよう配慮する。
端末の画面ロック・フィルター
電車やバス、カフェなどで周囲から覗き見されないよう、プライバシーフィルターを利用するのも有効。
ストレスフリーな旅のために
セキュリティ対策やマナーは、一見面倒に思えるかもしれない。しかし、不注意による情報漏えいや盗難被害が起きると、仕事だけでなく貴重な旅の時間も台無しになってしまう。安全に快適に働くための小さな工夫が、トラブルを防ぎ、旅先でのストレスをぐっと減らしてくれるはずだ。
結局のところ、リモートワークで得られる自由を最大限に楽しむには、安心して作業できる環境づくりが不可欠。「大丈夫だろう」と油断せず、手間を惜しまずにセキュリティ対策やマナーを徹底しておけば、旅と仕事の両立をより豊かなものにできるだろう。